ウサギ(創作:小松英夫さん)
折り紙へ続く道へようこそ。
今回は私の大好きな作品ご紹介します。
ウサギ(創作:小松英夫さん)
カワイイですよね~~~
折り紙ファンには認知度の高い作品だと思います。
それでは、私なりの着眼点でこの作品の魅力を語ります。
1.胴体の構造
この作品で最も驚いたことは「胴体が空洞」であることです。
立体的な仕上がりの作品は、この作品以外にもたくさんあります。
しかし、そのほとんどが、紙の重なりによって生じた厚みによる立体化です。
創作者である小松さんは、
胴体の空洞化をねらって創作したのでしょうか?
それとも偶然出会った形だったのでしょうか?
いずれにしても小松さんは、天才的な創作センスのある方だと思います。
2.前半の工程
前半は基本的な折り線をつける工程です。
このような工程は、苦しさを伴うことが多いものです。
しかし、この作品は、少しずつ形が変わっていくように工程が工夫されています。
よって、とても楽しく折り進めることが出来るのです。
3.一気にまとめる
前半でつけた折り線を手掛かりにして、一気にまとめる工程があります。
初心者だった頃の私が、初めてこの工程の折り図を見た時ときに感じたことは、
「ヤバイ、できないかも・・・」一瞬ビビりました。
不慣れな方は、この工程に挑む前に一旦落ち着くことが大切だと思います。
<ポイント>
ポイントは2つあります。
①山折り線と谷折り線をよく確認すること。
→練習用の紙の場合は、折り線に色をつけると分かりやすくなります。
→私は蛍光ペンを使っています。
→山折り線と谷折り線で異なる色を使うと更に分かりやすくなります。
②図をよく見て折ること。
→この工程に限ったことではありません。
→上手くいかない時は「しばらく寝かせる」ようにしましょう。
※「しばらく寝かせる」に関しては、この記事の最後に「行き詰った時どうするか?」のリンクを貼っておきます。
※よかったらご覧ください。
当時は初心者だった私にも上手く折り畳むことが出来ました。
小松さん折図とても分かりやすいです。(感謝)
この工程、上手く出来たときは、とてもうれしかったです。
一方で、この工程を折り終えた形を見たときの感想は意外なものでした。
「この形から本当にウサギになるのだろうか?」
と疑問を感じてしまう形でした($・・)/~~~
この時点では「ウサギ」を連想することができない状態なのです。
4.頭部がウサギに見えるようになる工程
終盤にようやく頭部がウサギに見えるようになる工程があります。
若干開いて、かふせるように折るのですが、驚きが3つありました。
①今まで見たことのない独特な折り方でとても楽しかったこと。
②これまでウサギとは思えなかった形が一瞬でウサギに変化すること。
③前半の工程でつけた折り線が、この工程で大活躍すること。
この工程は、何度折っても気持ちのいい瞬間です。
オリガミストに有益な中毒症状を引き起こす「善良な麻薬」と言っても過言ではありません。
5.尾と足を作る工程
尾と足を作る工程は、胴体を立体化(空洞化)させることに繋がっています。
平面的な仕上がりの作品では味わうことのできない、独特な感覚で「折り」を楽しむことができます。
完成
意外性のある工程が多く、ワクワクしながら折り進める体験ができる作品です。
完成形のデザインも優れていると思います。
・カワイイ
・存在感がある
・バランスが良い
まさに名作中の名作です。
まだ、折ったことのない方にはオススメの作品です。
折った事がある方と共感できる部分があれば幸いです。
<作品情報>
作品名 ウサギ
創作者 小松英夫
折り方 不切正方形一枚
出典① 小松英夫作品集
発行所 おりがみはうす
著 者 小松英夫
出典② 折紙探偵団 第6回 コンベンション折図集
発行所 日本折紙学会
著 者 日本折紙学会
※私が、この作品と出合ったのは、出典②です。
※出典②はすでに絶版となっています。
再版の予定はないそうです。
作例の折り手 山口智之
用 紙 友禅千代紙(15㎝)
関連記事のリンク
youtaiyamaguchi.hatenablog.com
今回はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(@^^)/~~~